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eスポーツコラム
2024.11.21 UP

趣味や娯楽に留まらない!医療におけるゲームの可能性

皆さんは、「あなたにとってゲームとは?」と聞かれると、どんなイメージを浮かべますか?

多くの人が趣味や娯楽などを挙げるのではないでしょうか。もちろん、それらはゲームの大部分を占める要素であることに違いありません。

その一方で、ゲームが医療や福祉の分野で役立てられていることはご存知でしょうか。今回は、意外と知られていない、医療・福祉分野でのゲームの活躍についてご紹介します!

リハビリテーションや社会参加における活用

現代社会において、脳や先天性の病気などにより、日常的なリハビリテーションを必要としている人は少なくありません。

また、何らかの障がいによって、物理的に外に出ることが困難になったり、精神的に億劫になったりすることで、社会参加が難しくなっている人もいます。

こういった人々に対し、ゲームはリハビリテーションの手段や社会参加のキッカケ作りとして活用されています。

リハビリテーションを楽しい時間に

リハビリテーション(以下リハビリ)は「作業療法」「理学療法」「言語療法」の3種類に分けられ、様々な方法を用いて、障がいが発生した人に対し歩行や食事を始めとした日常的な動作を行うための身体機能回復や、事故効力感の認知や社会参加といった精神的な回復を目的としています。

一方で、リハビリを必要とする人の中には「単調な動作の繰り返し」を苦痛に感じる人も一定数います。

実際、病院や社会福祉施設の現場でリハビリへの活力が湧かない人をたくさん見てきました。とはいえ、リハビリは以前の日常生活に限りなく近づくために避けては通れません。

こうした背景があり、近年徐々に注目されてきているのが「ゲームを活用したリハビリ」です。

2021年には株式会社デジリハから「子どもから高齢者まで、誰もがゲーム感覚で楽しみながらリハビリできるように支援するツール」として、リハビリ支援ツール『デジリハ』がリリースされています。

普段のリハビリの時間に、エンターテインメントの要素を加えることで、モチベーションアップや継続的な実施につながることを目的としています。

木に実ったフルーツを収穫するゲームや、身体を動かしロボットを操ってダンスするゲーム、目の動きで音楽を奏でるものなど多種多様なタイトルがあり、各個人にあわせたリハビリが可能になっています。

さらに、2024年の研究発表ではボウリング、テニス、バレーなどの家庭用の体験型ゲームを用いたリハビリの有効性が示され、反復的な運動・動作を行うだけでなく「楽しむこと」がモチベーションの維持に繋がり短期的で大幅な機能改善に繋がったと報告されています。

このようにリハビリにおけるゲームの活用は、必要とする人の自主性を高めリハビリの効果を飛躍的に上昇させることが期待できます。

eスポーツを通して社会参加のキッカケに

ゲームのもたらす効果はこれだけではありません。前述した『デジリハ』はリハビリ用に開発されたゲームですが、我々が日常的に遊んでいるタイトルも医療の現場で活用されています。

北海道の国立病院機構八雲病院では、筋ジストロフィーや脊髄性筋萎縮症といった病気の人々を対象に『League of Legends』のプレイを作業療法に取り入れています。

指先の筋肉をはじめとした残存機能の訓練としての活用はもちろん、こうした作業療法は社会参加のキッカケとしての側面が大きいと感じました。

実際に、この作業療法に参加したメンバーは「病気できないことが増えていく中で、ゲームなら今の自分を改善して上手くなることができる。」「競う機会のあまりない障がい者にとって、部活動のようなコミュニケーションは新鮮でした。」といった話をされており、自己効力感の向上やコミュニティ形成において効果を発揮していることがわかります。

参考:一般社団法人 日本作業療法士協会「eスポーツで、障害者に新しい「参加」のきっかけを」

2023年のラスベガスで開催された「EVO」では、スト6のサウンドアクセシビリティ機能を活用し全盲のプレイヤーBlindWarriorSven氏が大会参加及び勝ち星を挙げたことや、2024年の同大会では筋ジストロフィーの格ゲープレイヤーJeni氏の顎で操作する独自のデバイスを用いた参加などは大きな話題を呼びました。

近年、スト6だけでなく様々なタイトルで障がい者を対象とした機能が実装されています。

それにより、障がい者がプレイヤーまたは開発や運営といったゲーム業界への参入という形で社会参加が促進されていくのではないでしょうか。

病気の治療・予防におけるゲームの活用

ゲームの活用はリハビリや社会参加に留まらず、病気の直接的な治療や医療技術の向上にも活用されています。

ADHDの治療

ADHDは「注意欠如」や「多動性障害」が主な特徴である発達障害の概念です。

近年、ADHDへの注目は飛躍的に高まり、2010年から2019年までで新たにADHDと診断された人は83万人におよびます。また、この期間中どの年齢層でも診断数は何倍にもなっています。

このように、今や非常に身近な存在となったADHDですが、その治療にゲームが活用されているのをご存知でしょうか。

背景には、精神刺激薬に変わる選択肢の模索など複雑な背景があるのですが、重要なのは注意力の改善に一定の効果が見られるという点です。

例えば、アメリカ食品医品局(FDA)から認可され、小児向けのデジタル治療に用いられている『EndeavorRx』というゲームがあります。

アイテムを集めながら特定の目標を捕獲することを目的としており、一見『マリオカート』のようなレースゲームに見えますが、その本質は異なります。

操作はあえて複雑になっており、複数の目標の達成との相乗効果によってユーザーの注意力を広く向上させることを目的としています。

『EndeavorRx』の活用は、利用者の注意力に大幅な向上を認めたとの報告もなされていることから、その有効性が伺えます。

また、大人向けの『EndeavorOTC』の提供が2023年6月から開始されており、臨床試験および認可待ちではあるものの、今後の『EndeavorRx』と同様に治療に役立てられていくことでしょう。

認知症予防に効果が期待されるeスポーツ

認知症は、記憶や思考、理解、判断といった知的な機能である認知機能が低下し、日常生活に影響を及ぼしている状態を指します。

認知症が進行する原因は様々ですが、その中に「脳への刺激不足」があります。

脳への刺激と言われてもピンとこないかもしれませんが、私たちが普段何気なく行っている「学校や仕事で外出し他人と交流する」というのは、脳へ刺激を与える大きな要素です。

こうした脳への刺激を考えた際、ゲームによる脳の活性化、対戦・協力し人と交流することができるeスポーツはうってつけというわけです。

実際、eスポーツによる脳の活性化および認知機能低下の予防効果に関する研究結果は数多くされており、一定の効果が認められています。

2024年8月には、神奈川県で県内初のシニア向けeスポーツ全国大会「SUNSHINE eスポーツフェスタ in Kanagawa」が開催されるなど、今後も高齢者を対象としたeスポーツイベントが増えていくのではないでしょうか!

まとめ

今回はリハビリテーションや社会参加、病気の治療においてゲームがどのように活用されているのかを紹介しました。

これらの他にも、医療職者の技術訓練や健康な高齢者の活力向上など、ゲームは様々な分野で活用され始めており、医療・福祉の分野において更なる効果の向上が期待されてます!

画像出典

EndeavorRx

EVO公式ホームページ

デジリハ公式ホームページ

SUNSHINE eスポーツフェスタ in Kanagawa

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